2017年7月4日 更新

アルガンオイルを世界に広めた第一人者 シャルーフ教授×木村至信先生 来日対談インタビュー

アルガンオイルで社会を変えたシャルーフ教授の長きに渡る情熱の物語に、芯のある強い女性をテーマに語る情熱女医木村至信がインタビュー! 女性の社会進出、教育、環境保護、アルガンオイルが社会を変え、国を動かす!!

【注】IGP認証とは:優良産地を証明する制度。”Indication Géographique Protégée ”(地理的表示保護)の略語で、知的財産権の一つであり、国連の世界知的所有権機関(WIPO)の定義によると、「特定の地理的起源(原産地)を有し、その原産地に由来する高い品質や評価を備える製品に用いる表示」である。

例として、シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方のものでないと"シャンパン"とは、名乗れない。
木村:香りを大切にしているというのは、美味しさのためだけでなく、品質を証明、良いアルガンオイルを見分ける方法になるということですね。


シャルーフ:先程言いましたように、適正に収穫した果実であることを、明確にするためのトレーサビリティー確保のしくみづくりであり、その果実の一番搾りのみを使用することも含め、IGP制度で定めた詳細な規格、製造プロセスに従って製造することが重要。 だから香りを大切にしています。

木村:結論として、良いアルガンオイルの見分け方は『香り』とIGP(トレーサビリティーが確保された種を使った一番絞り)であることなのですね。

シャルーフ:クオリティーの違いはこの香りとIGPのラベルですが、特に香りが重要です。
ヨーロッパの香りの分析の専門で、私の同僚でもある教授が、ドイツ、スイスで100以上の市場に出回っているアルガンオイル商品の香りの分析評価を行いました。

モロッコのテトマチン組合を訪れ、組合のオイルの香りの分析も行ったところ、今まで行ったどのオイルの香りとも違う、最も良い香りであったので驚いて、なぜこれほど香りの品質がいいのか知りたがったほどです。

その答えが、IGP認証の要求仕様に忠実に従った、製造の結果である旨をお答えしました。
つまり、IGP認証を得る過程でできたクオリティーなのです。
木村:実は私はシンガーもしておりまして、先日レコーディングのときに、お湯にアルガンオイルを入れてブレイクの度に飲んでいました。

アルガンオイルは、喉の粘膜をオイルがカバーして水分が蒸発するのを防いでくれますし、粘膜が保護されて声の耐久性が上がります。

シャルーフ:これは気に入ったわ!すごくいい方法ね!!


木村:テレビの番組でもアナウンサーの方や、舞台俳優さん、歌手の方にもオススメしています。もうアルガナッティは手放せませんね。(笑)
教授のオススメの使い方も教えてください。


シャルーフ:モロッコの南部では、ベルベル女性が妊娠して子供を産んだ後、まず一番にすること。

それは、産まれてきた子供にスプーン一杯のアルガンオイルを飲ませることです。
『脳に良い』と言われており、昔からの習わしのようになっています。


木村:私はフィリピンのマニラのスラムに行って、医療ボランティアもしています。切実な現状を変えるのは、その時の支援と同時に教育が私は必要だと思っています。

まずは文字を知り、文字を読む、考える、そして実行する、などです。


シャルーフ:まさにこの二つ、女性の自立支援と教育を同時に実現するために活動してきました。

木村:最後に、教授にとってアルガンオイルとは?

シャルーフ:私のライフワークです。 アルガンオイルの可能性を引き出し、国際的評価に充分通用するような価値にする為に、あらゆることを行ってきました。

また、このような試みを通じて、モロッコ王国の女性教育と環境保護、この二つを両方同時に大切に考えていくことが重要で、この二つがうまく回ればどんなことでも出来るのです。

19〜20世紀の間、アルガンの森は全体の50%が消失しました。 1965年〜1980年にかけては毎年600ヘクタール余りの森が減少し、砂漠化の危機に追い込まれました。
その結果、仕事のない農民たちの離村もあとを絶ちませんでした。 

そんな状況で、私たちが取り組んだアルガンオイルの価値を高め、森を女性達自身が守っていく活動が国際的にも反響を呼んでいくことが、国をも動かすこととなり、以後、アルガンの植林による再生は急激に加速しています。

アルガンの森は顕著に回復しつつあります。

この先、2020年までにモロッコ王国は森林再生を国の政策として、アルガンの森を20万ヘクタール増加させる計画です。
アルガンの森の保護、女性の地位向上の目標は実現の途上にあり、さらにアルガンを介してコミュニティも出来てきました。

アラブのことわざに“男の子を教育するとひとりの男になる、しかし、女の子を教育すると国を教育(変える)する“という言葉があります。

私は女性が社会を変えていけると信じています。

私は組合によるアルガンの生産活動の組織化を通じて、5000人の女性の雇用を創出しました。
一人の力でお金もありませんでしたから、国で行うのに比べ時間がかかりました。 20年が必要でした。

ただ、アルガンオイルはひとつのモデルケースでもあります。
目指しているのは、アルガンの森の中の植物についてもアルガンオイルと同様な手法で高度利用し、さらなる環境問題・社会開発に取り組んでいきたいと考えています。

Zoubida Charrouf(ズビダ・シャルーフ)

モハメッドⅤ世大学、理学部教授。アルガンの木の研究の世界的第一人者。

研究領域はモロッコの薬用植物に係わるファイトケミストリーであり、それらに関連する化粧品、機能性食品分野に及ぶ。アルガンオイルを通して、モロッコやアフリカ女性の社会的地位向上に貢献したことで、ノーベル平和賞に推薦されるなど、国際的に数々の賞を受賞。1996年に初めてアルガンオイルの製造と販売を行う女性によるタルガニンプロジェクトを設立した創始者。アルガン及びその派生物に関する100報以上の論文の著者であり、300以上の講演を学会等で行う。

木村 至信

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この記事のライター

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