2017年7月11日 更新

間違いだらけの鼻うがい

現役のドクターであり、テレビの医療コメンテーターも務め、美容コラムも多く発表しているアラフォー女医が内側から潤い、そして強くなる、芯のしゃんとした生き方をご提案いたします。

潤う医学

以前、某テレビ番組で人気歌手の鼻うがいを検証して、ズバズバと本質をお話しさせてもらう機会があったのですが、『悪魔の笑顔の女医』と言われてしまいました。

VTRを観たら、目からビームとか出ちゃって。笑

クリニックに来てくれているちびっ子たちも番組を観ていて、その後しばらくは『こわ〜い』とか『ビーム出してた!』なんて言われていました。
鼻うがいを健康法として取り入れている方も多いのですが、じつは耳鼻咽喉科の医師の間では、手放しに推奨されているわけではありません。

鼻うがいはいくつか気をつけて行わないと、かえって病気になってしまうのです。

使う水は生理食塩水を使うこと。

鼻の中には線毛細胞といって、細菌やゴミを外へ送り出す能力を持つ細胞があります。

真水やカルキの入った水ですと体液と浸透圧が違うので、その線毛細胞を痛めてしまい、自分の持つバリア機能を弱めてしまうのです。

さらに喉、つまり咽頭にもこうした外敵から自分を守る免疫機能が備わっており、同じく間違った水を使えばその機能を損なってしまいます。

次に手順。

あくまで鼻から吸って、下を向く! あーと言いながら口から出すのがベストです。

上を向いて行うと、鼻の突き当たりにある耳管開口部から耳管を伝わって、耳の鼓膜の内側、鼓室内に汚い水を入れてしまいます。

中耳炎や耳管狭窄症などの病気となり、難聴を起こす可能性もあります。
間違ってやってしまったときに、少し耳がこもった感じがしますよね?

あれが耳管狭窄症の症状です。

汚い水を口から出すので、私は最後に喉のうがいも勧めています。

そして最後に、鼻洗浄の器具を定期的に煮沸消毒すること!

湿気が残っていればカビが生えます。
そのカビごと鼻や喉に入れてしまうので、感染症を引き起こすリスクとなってしまいます。

こう考えると、鼻うがいってかなり面倒ですしリスキーなのです。

では、それに代わるものは何か。

まめに鼻をかむことです。

そしてうがいをすること。

うがいをするときは強い殺菌効果のあるうがい薬ではなく、抗菌効果のあるもので十分ですし、飲む水にひとつまみ塩を入れるくらいでもいいのです。

30秒のうがいで、口腔内の細菌の50%を取り除けるというエビデンスもあります。

小さい頃から行っているベーシックなもので本当は十分なのです。

先人からの教えには必ず意味があり、合理性があります。


是非、鼻、喉のメンテナンスと風邪をひかない身体を作るために、鼻かみとうがいを見直してみてくださいね!
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この記事のライター

医学博士 木村至信 医学博士 木村至信