2017年8月7日 更新

鼻が効かない?

現役のドクターであり、テレビの医療コメンテーターも務め、美容コラムも多く発表しているアラフォー女医が内側から潤い、そして強くなる、芯のしゃんとした生き方をご提案いたします。

この話題は以前テレビ番組で、某タレントさんのお悩みに答えたことのある話題です。意外と当てはまる方がいらっしゃるのではないでしょうか?

最近、ちょっと匂いの感覚が変わってきたかな?匂いが薄い?と思う事、ありませんか?

嗅覚障害といいますが、次の4つに分かれます。

1.嗅覚脱失   匂いがしなくなる

2.嗅覚減退   匂いが弱くなる

3.嗅覚過敏   化学物質や少しの異臭にも耐えられない

4.異臭症    本来いい匂いなのに、臭いと感じてしまう

思い当たる症状はありますか?


嗅覚障害の原因は3つ考えられます。

1.呼吸性  鼻が慢性的に詰まっていたり、アレルギーや蓄膿症などの鼻炎があると、匂いの分子が鼻の中に入ってこないので、嗅覚が鈍くなります。
この場合は原因疾患が改善されることで、少しずつ良くなります。

2.抹消性  風邪やウイルス疾患、顔面の骨折、ある種の薬剤などで鼻粘膜の上皮に炎症や萎縮が起きて嗅覚障害が起きます。 一度断裂した神経をもとに戻すのはかなり難しく、炎症などの場合以外は治りにくいとも言えます。

3.中枢性  匂いとして処理する脳内に腫瘍ができたり、アルツハイマーやパーキンソンなど匂いの情報を伝達しにくくなる疾患の場合の嗅覚障害です。 この場合もまずは原因疾患の治療がメインになります。
その他にも味覚障害の原因になる血中の亜鉛濃度が落ちると、連動して嗅覚も落ちるという論文もありました。

このように嗅覚障害は、全身いろいろな部位に原因が考えられるのです。

匂いは毎日の生活で、様々な危険を知らせてくれる知覚です。
ガスがついてるよ! この食べ物は傷んでないよ! 家事?!などなどです。
『窓際のトットちゃん』という本がありますが、あの中に出てくる飼い犬の耳の中の匂いを嗅ぐと落ち着くという感じ、私もすごく分かります。

うちのソファーや枕の匂い。
アロマのお風呂。
入れたてのコーヒーと、大好きなアルガンオイルをパンにつけて口に入れた時の香りとか。

そして大好きな人のシャツの匂い。

嗅覚は心も落ち着かせ、やる気も起こさせるメンタルを仕切る大事な感覚でもあるのです。
嗅覚に何かしらの不安を感じる方は、早めに耳鼻咽喉科に受診してください。

トラブルがあってから、長い間放置していると治りにくくなることもあります。
これを読んでくださったのも、運命が用意したタイミングかも?
人間の体は様々な器官や細胞、機能で溢れていますが、ひとつとしていらないものはありません。

たかが匂い、されど匂い。

日常生活が色褪せたものにならないように、自分の心や体のSOSに気づいてあげてくださいね!
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この記事のライター

医学博士 木村至信 医学博士 木村至信