2017年10月31日 更新

正しい耳そうじ

現役のドクターであり、テレビの医療コメンテーターも務め、美容コラムも多く発表しているアラフォー女医が内側から潤い、そして強くなる、芯のしゃんとした生き方をご提案いたします

私の専門は耳鼻咽喉科、頭頸部外科、そして産業医でもあります。

日々の診療で度々遭遇する耳をいじり過ぎる皆様、本当に多いのです。

いじってはダメって分かっているのですが、痒くて・・・とか、もはや習慣で・・・とか。

でも、続けていると痛くなったり、浸出液が出ちゃったり、ひどくなると耳の中にカビが生えたりするんです。

今回は正しい“ちょうど良い耳そうじ“をご紹介いたします。

ちなみに私たちが掃除をしている外耳道という部分は、直径1.5センチくらい、長さは体型にもよりますが3センチくらいのトンネルです。

外耳道の入り口付近は皮膚ですが、突き当たり近くは粘膜になりそのまま音を振動に変える大事な鼓膜に繋がります。

自分で自分の耳の中は見られないので、つい同じところばかりを綿棒や竹の耳そうじでこすったり、強くいじったりすると、この外耳道の皮膚がめくれ浸出液がでたり、痛くなったり、外気の細菌に感染して腫れて聞こえが悪くなったりします。

こうなったら耳鼻咽喉科で、抗生物質の処方や消毒などの処置が必要になります。

では、どのくらいの頻度がちょうど良いお掃除なのでしょうか?

日本人の10人に1人くらいの割合で、俗にアメミミといいますが、耳垢がねっとりしている方がいらっしゃいます。

こういう方は奥に入れ込まないよう、週1回くらいのお掃除はありだと思いますが、それ以外の方は2週間に1回くらいでも充分だと私は思います。

それも竹のツールではなく、綿棒で充分です。

痒みをなんとかしたい時のオススメ!!

薬局で売っているオキシドールを綿棒につけてお掃除をすると、耳垢がシュワシュワ溶けてしかも冷たくてちょっとした刺激になり、気持ち良いですよ。

もし傷があったとしても、オキシドールなら消毒にもなりますしね。
オキシドール綿棒でクルッと拭いて、乾いた綿棒でもう一回クルッと拭いて終了です。

物足りないくらいで充分なのです。
少し前は、外耳道のかゆみにステロイド軟膏を処方する風潮がありました。

でもステロイドの乱用で、外耳道にカビが生える外耳道真菌症が起きるので、最近はあまり処方しません。

いじると血管からヒスタミンが出て、さらにかゆくなります。
いじり過ぎないことが、最高の予防であり治療なのです。

どうしても痒いときは、抗ヒスタミン剤の内服もできます。
また、冷たいタオルで耳の近くを冷やすと、かゆみも少し和らぎます。
仲良しの外耳道を繰り返している患者さんには、
「耳そうじに使っている時間で、他の趣味を持ってください!」

ガリガリやらないと気が済まないという患者さんには、
「耳の中に子犬が住んでいると思ってください!」
なんてお話しています。


思っているほど耳は汚れていませんし、汚れても病気ではありません。
逆にいじり過ぎて傷をつければ、病気になります。


今日からでも早速、“耳そうじ“を見直してみてくださいね!
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この記事のライター

医学博士 木村至信 医学博士 木村至信