2016年6月17日 更新

持つべきプライド、持たざるべきプライド

大学時代から雑誌編集者を始めた私。
30代半ばで編集者を卒業し、起業するまでの
16年あまり、どっぷり、ザ・女社会の
ファッション業界に
身を置いていた。

今もファッションや美容、メディアのプロデュースを
しているので、そう遠くはないのだが
今は、経営者でもあるので
企業のおじさまたちとも接するが
当時は、ほぼ女性としか
コミュニケーションをとらない毎日だった。
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安倍政権になって
社会でもっと女性活用を!なんて今更ながら
声高に叫んでいるけれど
少なくとも、ファッション業界の世界は
その何十年も前から
女性が男性と同等に、いやそれ以上に
活躍することが当たり前の世界だった。

女性の役員、女性の編集長、女性のチーフPR、
女性のチームリーダーなど当たり前にいたし、
現場の社員も皆、やりがいを持って仕事するのが
当たり前の世界だった。

そして、前回でのコラムでもお話ししたように
20代前半の頃、
「女は20代で終わり」と本気で思っていた
私が
「全然そんなことないじゃん。
30、40、50代になっても、
ステキで憧れちゃう女性はたくさんいるんじゃん!!」を
知ったのもこの世界だ。

いや、もっと言えば
「20代の、若いだけの私なんかより
40代のこの女性の方が100倍ステキだし
私が男だったら、絶対彼女を選ぶ。
若さ以外何一つ勝てない」と打ちひしがれる女性も多くいた。

20代の頃、そういう女性と多く出会うことができたことは、
未来に希望を持つことができたし、
身近な目標がいるということは幸せなことで、
つくづく恵まれた環境だったなあ、と思う。
しかし、逆に
「うっわー、こういう女にはなりたくないわー」
という女性にも
多く出会った。

組織の中が女性ばかりになると
図々しくなり、人として醜かったり
恥ずかしかったりする部分を隠さずにいるようになるからであろう。

いろんな「こんな女性にはなりたくない」が
いたが、今回は
「プライド」というところに焦点を当てて
話してみたいと思う。
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ファッションや美容編集者というのは、比較的ちやほやされる立場にある。
特に、私が編集者だった時代、
雑誌不況の今と違って
マスメディアが大きな力を持っていたから
その恩恵に預かりたく
いろいろな人たちがスリスリと寄ってくる。
それは、
その人自身にではなく、
彼女が携わってる媒体に対して、なのだが、
日々、ちやほやされていると勘違いする人が増えてくるものだ。
まあ、人間だから仕方ない。
かくいう私も、編集者時代の16年間より
起業してからの10年の方が
何十倍と頭を下げた。

人はちやほやされることに慣れてくると
「自分はこう扱ってほしい」という欲が出てくる。
いや、大女優などは
むしろ腰が低い人もいるので、
欲が出てくる人が多い、というのが正しいだろう。

そして、その、自分で勝手に作り上げた
「私はこう扱われるべきだ」に反することを
誰かにされると
攻撃的になる人も多い。


そういう人たちと一緒に行動していると
常に怒っている。
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「ハイブランドのファッショショーに呼ばれたんだけど
私の席が最前列じゃなかったらいきません」、
「展示会でのプレゼントが、あの編集長はバッグだったのに
私はポーチなんてありえない! 失礼だわ!!」
「会食に呼ばれたんだけど、レストランがOOで。
あんなB級イタリアンにするなんて馬鹿にされたものよね」
と、仕事上でのクレームはもちろん
タクシーの運転手の態度が悪かった、
レストランの店員の態度がなってない、
など、彼女たちは日々怒っている。
自分の価値や扱われ方というものは
他人が決めることであって
自分が決めるものではない。

もちろん「不当に扱われた」と
怒るべき場面もあるだろう。

しかし、そんなことばかり言い続けていると
もちろん、周りからは煙たがられ
男性どころか人が寄ってこなくなる。

例えば、「編集長」など
権力があるうちは、それでも
まだ、その権力に人は集まってくるが
その権力を失った途端、潮が引いたように
人々が離れ、でも高くなったプライドは変えることができず孤独になっていく、、、
そんな女性を多く見てきた。

そして、残念なことに
そういった女性の多くは恋愛に縁遠かった。

そりゃ、そうだ。

その肩書きに興味が湧いて
一度はデートしたとしても、
レストランに連れてっては文句を言い、
帰りのタクシーの中で
運転手に文句をいう女となんか
二度目なんてありえない。

当然、そういう人たちは
自分のことは棚に上げて
基本、男をこき下ろすスタンスから入るから、
恋愛が始まることはほぼない。

同じ「プライド」でも
それが他人に向けるものではなく
「自己」に向ける女性は逆にモテる。


どういうことかというと
「私が手がけた雑誌なんだから
面白いものにしたいし、成功させたい」という
プライド。

そういう女性は、
自分がどう扱われるか、ということへの
執着心ではなく
純粋に自分が作り上げるものの完成度への執着心を
強く持つ。

当然、雑誌なんて
一人で作れるものじゃないから
成功に導いてくれる部下やスタッフ、クライアントには
謙虚で
常に感謝の気持ちを持ち続けているし
それを素直にアウトプットし、
周囲の人々のモチベーションを保つことも怠らない。

当然、人々は
そんな彼女を応援したくなり、
結果、雑誌は成功へと導かれる。
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この記事のライター

渡辺佳恵 渡辺佳恵